🏛️ コラム

元号(年号)はどうやって決まる?決め方と6つの条件

この記事の要点

現在の元号は、内閣が「元号法」にもとづいて政令で定めます。学識者が考案した複数の候補から、漢字2字・読み書きしやすい・過去に使われていないなどの条件で絞り込み、最終的に閣議で決定します。

元号は内閣が決める(元号法)

元号の決め方は、1979年(昭和54年)に制定された「元号法」という法律で定められています。元号法はわずか2項からなる短い法律で、「元号は、政令で定める」「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」とされています。

つまり元号は、天皇が代わったとき(皇位継承)に、内閣が政令というかたちで決定します。戦前は天皇が定めるものでしたが、現在は国民の代表である内閣が定める点が大きな違いです。

考案から決定までの流れ

新しい元号は、おおまかに次のような流れで決まります。

  • 国文学・漢文学・日本史・東洋史などの学識者が、候補となる元号案を考案する
  • 政府(内閣官房)が候補を整理し、数案にしぼり込む
  • 有識者懇談会や衆参両院の議長らの意見を聞く
  • 閣議で決定し、政令として公布する
  • 官房長官が記者会見で発表する

元号に求められる6つの条件

元号の候補には、政府が示す次のような条件があります。これらを満たすことで、長く使われ、国民に親しまれる元号が選ばれます。

  • 国民の理想としてふさわしい、よい意味を持つこと
  • 漢字2文字であること
  • 書きやすいこと
  • 読みやすいこと
  • これまでに元号や、おくりな(諡号)として使われていないこと
  • 俗用されていない(日常で広く使われていない)こと

「令和」が選ばれたときの6つの最終候補

2019年の改元では、最終的に6つの案が有識者懇談会に示されたことが政府から公表されています。このとき示された案は次のとおりです。

候補案読み備考
令和 れいわ 採用。『万葉集』巻五「梅花の歌」の序文が出典
英弘 えいこう 日本古典が出典とされる
久化 きゅうか 中国古典が出典とされる
広至 こうし 日本・中国双方の古典が出典とされる
万和 ばんな 中国古典が出典とされる
万保 ばんぽう 中国古典が出典とされる

「令和」は、日本の古典(国書)を出典とする初の元号です。それ以前の元号は、確認できる限りすべて中国の古典を典拠としていました。この点が令和の大きな特徴として発表時にも強調されました。

元号の歴史と「一世一元」

日本の元号は、645年の「大化(たいか)」が最初とされ、以来1300年以上にわたって使われてきました。かつては天災や吉事などのたびに改元され、一人の天皇のもとで何度も元号が変わることも珍しくありませんでした。災害や疫病を断ち切る目的で改元する「災異改元」、めでたい出来事を祝う「祥瑞改元」などが行われていたためです。

天皇一代につき一つの元号とする「一世一元(いっせいいちげん)の制」が定められたのは明治からです。これにより明治・大正・昭和・平成・令和は、それぞれ一人の天皇の在位期間と対応しています。令和は、大化から数えておよそ248番目の元号にあたります。

元号は「使わなければならない」もの?

元号法は元号の定め方を決めた法律であり、国民に和暦の使用を義務づけるものではありません。そのため、履歴書や契約書を西暦で書いても法的な問題は生じません。

一方で、戸籍や運転免許証など、様式にあらかじめ元号が印刷されている公的書類では和暦での記入が求められます。どちらを使うかで迷ったときの考え方は、当サイトの「和暦と西暦の使い分け」の記事で整理しています。

よくある質問

元号は誰が決めるのですか?

現在は内閣が元号法にもとづいて政令で定めます。学識者が考案した候補から、有識者懇談会などの意見を聞いたうえで閣議決定し、官房長官が発表します。

元号の条件は?

よい意味を持つ・漢字2文字・書きやすい・読みやすい・過去に元号や諡号として使われていない・俗用されていない、の6つが代表的な条件です。

最初の元号は何ですか?

日本最初の元号は645年の「大化」とされています。令和はそこから数えておよそ248番目の元号にあたります。

令和の最終候補には何がありましたか?

令和のほか、英弘(えいこう)・久化(きゅうか)・広至(こうし)・万和(ばんな)・万保(ばんぽう)の計6案が有識者懇談会に示されたと公表されています。

令和はなぜ「国書由来」といわれるのですか?

令和は『万葉集』巻五「梅花の歌三十二首」の序文を出典としており、日本の古典を典拠とする初めての元号だからです。それ以前の元号はいずれも中国の古典を典拠としていました。

元号を使わずに西暦だけで生活できますか?

元号法は使用を義務づけていないため、日常の書類を西暦で書いても問題ありません。ただし様式に元号が印刷されている公的書類では和暦で記入します。

最終更新:2026-09-04

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